研究成果・技術情報

平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)受賞

受賞名:平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
業績名:ADCPを用いた河川の流量と土砂同時観測手法の開発
受賞者:萬矢 敦啓((国研)土木研究所 水工研究グループ 主任研究員)
    本永 良樹((一財)河川情報センター 河川情報研究所 研究第2部 主任研究員)
    橘田 隆史 ((株)ハイドロシステム開発 代表取締役社長)
賞の概要:

受賞日:平成31年4月17日

賞の情報:平成31年4月17日に行われた平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰で、水工研究グループ水文チームの萬矢敦啓主任研究員が科学技術賞(開発部門)を受賞しました。
 文部科学大臣表彰は、文部科学大臣が科学技術に携わる者の意欲の向上を図り我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的として表彰するものであり、科学技術賞(開発部門)は、我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象としています。

 

業績概要:

 これまで、洪水時の河川流量観測は浮子の投入による流速測定と河道断面積から流量を簡易に推定する手法にとどまっており、安全に精度よく流量を観測する手法の開発が課題であった。
 本開発では、海洋の計測技術として開発された超音波多層型計測技術(ADCP:acoustic Doppler current profiler)を用いて河川流速や流砂を観測する手法として、ADCP を搭載し橋上から操作可能な小型ボート、 および橋上操作艇に各種機器を搭載した観測システムの構築を行った。また表面流速と ADCP から得られる水面下の情報を基に、河川の流量を精度よく算出するための手法を開発した。
 本開発により、従来より少人数で高精度な流量観測が可能となったほか、河川から離れた位置に設置し河川の流速を測定する非接触型流速計を利活用出来る場面が飛躍的に拡大し、流量観測の連続化・無人化の可能性が開かれた。
 本成果は、洪水時の流量観測の安全性向上や省力化、高精度化、および計画的、効率的な治水・利水対策の推進等に寄与している。

平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)

関連サイト:

平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/04/1415044.htm