研究成果・技術情報

「令和5年度日本下水道協会若手研究発表賞」 受賞

受賞名: 「令和5年度日本下水道協会若手研究発表賞」 受賞
論文題目: 小規模下水処理場への導入を想定した下水二次処理水に残存するアンモニア性窒素の生物反応槽後担体硝化処理特性
受賞者: 流域水環境研究グループ 水質チーム 交流研究員 厚朴大祐
共著者: 流域水環境研究グループ 水質チーム 主任研究員 對馬育夫
流域水環境研究グループ 水質チーム 主任研究員 北村友一
流域水環境研究グループ 水質チーム 上席研究員 山下洋正

受賞日:2023年6月30日


贈賞組織名:公益社団法人 日本下水道協会


賞の概要

若手研究発表賞
 若手研究発表賞は、下水道事業や下水道技術の分野で、次代を担う若手の技術者(実務者)や研究者のさらなる活躍を期待して、その研究やハードおよびシステム技術開発・実務における革新的な成果に対して授与する賞である。

対象者:

 下水道協会誌掲載の論文を対象とし、投稿論文の原稿投稿時の年齢が 35 歳以下の第一著者を対象として授与

研究概要:

 本研究は、重点研究「下水処理水に残存するアンモニア性窒素の低減技術と水生生物の影響評価に関する研究(R1-R3)」に基づく成果です。本研究では、下水二次処理水に残存するアンモニア性窒素(水生生物への影響が懸念)を除去する方法として、微生物保持担体による処理に機械攪拌とアンモニアセンサーによる曝気量のフィードバック制御を組み合わせました。その結果、小規模下水処理場において、省エネルギーで高効率にアンモニア性窒素を除去できる可能性を見出しました。さらに、アンモニア性窒素を除去する硝化細菌を微生物担体に高い割合で保持できることを確認しました。
 下水二次処理水に残存するアンモニア性窒素を除去する場合、一般的な処理方法である標準活性汚泥法等を採用している中規模以上の下水処理場では曝気風量の増加等で対応できますが、他の処理法を採用している小規模下水処理場ではそのような対応は現実的ではありません。本研究で開発した方法は、既存の処理施設への後付けが可能で、かつ、省エネルギーで高効率にアンモニア性窒素を除去できるものです。
 本賞の受賞は、本発表が小規模下水処理場におけるアンモニア性窒素処理の課題解決に向けた新たな可能性を提示する秀でた内容であったこと、第一著者が下水道分野の次代を担う若手の技術者(実務者)として、さらなる活躍を期待されたことによるものと考えられます。

  
賞状 トロフィー
賞状 トロフィー