研究成果・技術情報

日本道路建設業協会 第23 回舗装技術に関する論文賞」受賞(舗装チーム)

受   賞   名: 第23回舗装技術に関する論文賞「優秀賞」の受賞
論文題目 : プラントミックスタイプのコンクリート床版用グースアスファルト混合物の開発
受   賞   者: 大林道路株式会社 技術研究所  上地 俊孝 大林道路株式会社 技術研究所  東本 崇 大林道路株式会社 技術研究所  滝井 陵太 大林道路株式会社 本店技術部  下舘 鎮 舗装チーム<現・SIP事務局>   川上 篤史
受   賞   名: 第23回舗装技術に関する論文賞「佳作」の受賞
論文題目 : 床版防水性能を有する樹脂防水一体型アスファルト舗装の開発
受   賞   者: 東亜道路工業株式会社 技術研究所  麻上 淳平 東亜道路工業株式会社 技術研究所  設楽 直柔 東亜道路工業株式会社 技術研究所  平戸 利明 舗装チーム<現・SIP事務局>     川上 篤史
受   賞   名: 第23回舗装技術に関する論文賞「佳作」の受賞
論文題目 : 常温施工可能な防水用補修材の性能向上に関する検討
受   賞   者: 前田道路株式会社 技術研究所  畠山 慶吾 前田道路株式会社 技術研究所  牧野 幹 舗装チーム<現・SIP事務局>   川上 篤史

受賞日:令和5年5月24日

贈賞組織名:一般社団法人 日本道路建設業協会

賞の対象:

舗装技術の向上と振興を図るために「舗装技術」について論文を広く求め、「研究開発部門」および 「製造施工部門」より優秀な論文を表彰する。なお、研究開発部門は、材料開発から室内評価、現場 施工に至るまでの一連の研究開発プロセスが評価される。例年、各部門・最優秀1編、優秀2編、佳作 3編程度選出される。

研究成果の概要:
道路橋床版の土砂化は、路面や舗装端部からの雨水などの侵入が主な原因となることから、防水性を 高めた橋面舗装材料の開発が急務となっていた。そこで、土木研究所は令和2年度より「防水性を高め たコンクリート床版橋面舗装の実用化に関する共同研究」を開始し、民間企業8社と新たなRC床版用橋 面舗装の開発および実用化に向けた検討を行った。その結果、RC床版に適用できる新たな橋面舗装材料 として、改質グースアスファルト混合物(図-1)(4社)、 植物性特殊樹脂混合物(図-2)グースアス ファルト用簡易補修材(図-3)、 新規端部防水工法、超緻密高強度繊維補強コンクリートを開発した (今回の受賞は前述の下線の技術)。

図-1 改質グース施工風景
図-2 植物性特殊樹脂混合物
図-3 グース用簡易補修材
アピールポイント:

防水性に優れた舗装材料であるグースアスファルト舗装は、鋼床版の橋梁に適用されている一方で、 RC床版ではコンクリート内部の水分の蒸発によりブリスタリング(水蒸気等による舗装の膨れ)が発生 するため適用されていなかった。改質グースアスファルト混合物は、施工温度を低減してブリスタリング を起きにくくさせるとともに耐久性を高めた、RC床版(および鋼床版)で適用できる 技術である。 植物性樹脂混合物は、 開発した熱可塑性の植物性特殊樹脂をRC床版に塗布し、その上から一般的なアス ファルト混合物を舗設することで舗設時の熱により溶融し空隙に浸透・充填されるため、一体となって 防水性能を発揮することができる技術である。 グースアスファルト用簡易 補修材は、常温かつRC床版表面が表乾状態でも施工できる舗装材料で、今まで 懸念されていた ポットホール補修など小規模施工で用いることが可能となる。 これら床版防水工法を開発できたことで、 道路橋RC床版の劣化抑制に寄与することができ、 RC床版のみならず鋼床版の長寿命化につながると期待される。