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1.昨年設置したワンドの様子。ワンドは川の生き物が暮らす場所として重要な役割を持っています。 |
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2.今年のワンドの様子。植物も繁茂してきました。 |
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3.魚類調査の様子。投網とタモ網で魚類を採捕しました。 |
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4.採捕された魚。
ここではカダヤシが多く見られました。 |
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5.間隙を好む生物が利用できるよう、石を置きました。 |
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6. 木杭は流れを緩くすることで稚魚等の生息場になります。 |
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7. 砂地を好む生物のために砂を敷いた場所も設けました。 |
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8. 地域住民の方々と共にプロジェクトを行ないました。 |
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9. 石を使った実験河川の調査。この調査結果をもとにワンドの改修を行いました。 |
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自然共生研究センターでは、様々な水際タイプの生態的機能に関する研究を行なっています。テレビ朝日の番組「素敵な宇宙船地球号・旧芝川再生プロジェクト」では、旧芝川の自然再生の一環としてワンドやワンド内の水辺構造の計画・設計を行なうとともに、実際の工事を地域住民と共に行ないました。また、ワンド造成の効果についてもその検証を行なっています。
旧芝川は埼玉県川口市を流れる都市河川です。昨年、番組から旧芝川を再生するための協力依頼があり、センターでは同河川の最上流部において生物調査を実施しました。その調査結果を元に、川の生物が生息場として利用するワンドを作ることを提案しました。
ワンド設置前(昨年)と設置後(今年)の魚類調査結果を比較すると、6種から9種へ魚種数の増加が確認されました。この結果は採捕する時期や干満による水位など調査状況の違いも含まれていますが、全体的に好ましい傾向ではないかと思われます。また、採捕された魚種も外来種のカダヤシが減り、在来種のハゼ科が増えるという結果も見られました。
今回のワンド改修には、稚魚などが生息しやすいよう流速の減衰効果を狙った木杭と、ハゼ科など間隙を好む生物の棲みか提供する石を用いました。また、砂地を好む生物が生息しやすいよう河岸の一部に砂をまきました。
今後も自然共生研究センターでは、川が持つ再生力を引き出すための研究を行い、人と自然の共生のための技術を伝えて行きたいと考えています。
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