|
写真1.実験河川における魚類の捕獲の様子 |
|
写真2.魚類のカウントの様子 |
|
写真3.魚類の同定作業の様子 |
|
写真4.魚類のスケッチの様子 |
|
図5.実習に参加した学生によるスケッチ (魚種名:オイカワ) |
|
写真6.講義の様子 |
|
6月25日(月)実験河川で「河川生態学」の野外実習を行いました。参加者は、岐阜工業高等専門学校環境都市工学科の履修科目である「河川生態学」を受講している5年生など50名でした。実習は前年と同じく「環境が異なる河道区間で魚類群集構造はどう異なるのか?」と題して行われました。
午前中には、実験河川の3本の川に存在する河道の形や水際の構造が異なる6つの河道区間において、魚類の捕獲調査を行いました。各々がウェーダーを履いて川に入り、タモ網を持ち、エレクトリックショッカーを背負って魚類を採捕する研究員の補助を行いました(写真1)。その後、捕獲された魚類のカウント作業なども行いました(写真2)。捕獲調査とは別に、研究員の案内を受けながら実験河川の見学(実験河川ガイドウォーク)も行い、各区間の流れや地形などの環境の特徴を理解しました。
午後からは、水辺共生体験館において、魚の同定作業やスケッチなどを行いました。魚類の同定作業では、種名を明らかにするためのポイントが載った図鑑を用いて、魚種名にたどり着くことができました(写真3)。魚種名を明らかにした後は、同定作業で着目したヒレの位置やヒゲの有無などを意識しながら、スケッチを行いました(写真4)。時間をかけて描かれたスケッチはどれも力作ぞろいでした(図5)。その後、生物群集の特徴を表すための「多様度指数」や「類似度」といった指標についての講義も実施しました(写真6)。
実習のレポート課題として、実習で採集された魚類のデータを用いて、実際に「多様度指数」や「類似度」を算出し、河道区間の環境の特徴との関連についても考察を行いました。
今回の実習では、魚類を対象とした河川生態系評価の1手法として、現地調査から種の同定、データ解析から考察にいたる一連の流れを体験することができたと思います。
(小野田 幸生)
|