A. JICA
東・東南アジア地域別研修『洪水ハザードマップ作成』研修を実施
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米国ニューオーリンズのハリケーン「カトリーナ」による高潮災害調査
2005年11月7日から12月2日の4週間にわたり、独立行政法人 国際協力機構(JICA)の支援のもと、東・東南アジア地域別研修『洪水ハザードマップ作成』研修を実施しました。
この研修は、世界気象機関(WMO)の後援で設立された台風委員会(Typhoon
Committee)の活動と共同しながら、2004年度から2008年度まで実施されています。研修の目的は、洪水ハザードマップの作成や住民への配布方法に必要な専門知識などを、東アジアおよび東南アジア地域で河川管理に携わる技術者に教えることです。参加した16名の研修員の出身地は、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ラオス、中国、ベトナム8カ国です。
研修1週目では、国内の講師だけではなく、メコン川委員会や中国水利水電科学研究院および西インド大学といった海外の講師から、洪水ハザードマップの概要と、世界各国における現状などについて講義を受けました。2週目では、洪水ハザードマップ作成に必要となる、GISや流出解析の演習を行い、さらに浸水想定区域図や避難計画の作成に関して講義を受けました。
3週目では、国土交通省庄内川河川事務所と三重河川国道事務所、伊勢市役所の助力のもと、遊水地や雨水貯留施設などの治水施設や、昨年の台風で被害にあった地区の現地視察を実施しました。また、30年前に大きな浸水被害を受けた伊勢市内において、洪水ハザードマップを作成する際に、どのような観点で臨めばよいかを研修生に考えさせる「タウンウォッチング(現地調査演習)」を実施しました。演習中では、インタビューを通じて洪水ハザードマップに対する住民の意識調査も行いました。最終週では、研修生が自国に帰ってからの「行動計画(アクションプラン)」を含めたレポートを発表し、それぞれが洪水ハザードマップに関して高い意識を持ちながら無事に研修を終了することが出来ました。
今後も、本研修を通じて培われた研修生相互、あるいは当本部との関係を維持し、研修生と情報交換を継続していきたいと考えています。
最後になりましたが、本研修に講師としてご協力いただいた方々をはじめ、現地視察・演習を受け入れて頂いた関係機関の方々に、深く感謝の意を表します。
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