「応用生態工学会第27回さいたま大会 最優秀ポスター発表賞」受賞
受 賞 名: | 「応用生態工学会第27回さいたま大会 最優秀ポスター発表賞」受賞 |
論文題目 : | 河川におけるALBデータを活用した植物群落の分布特性の把握の試み |
受 賞 者: |
岡井陽平 (流域水環境研究グループ 流域生態チーム 交流研究員) 溝口裕太 (流域水環境研究グループ 自然共生研究センター 専門研究員) 田中孝幸 (流域水環境研究グループ 流域生態チーム 上席研究員) |
受賞日:令和6年6年9月20日(金)
贈賞組織名:応用生態工学会
賞の対象:
本賞は、応用生態工学会第 27回大会において、一般の研究発表のうち、ポスターが優秀と認められた者に授与されるものである。
研究成果の概要:
河川の高水敷の樹林化は、治水と環境の両面で問題となっています。これに対処するために、植物群落の分布特性(立地する物理環境)を定量的に把握 し、河川管理の基礎情報とすることが望まれます。そこで、本研究では、河川地形を高い空間解像度で計測したALBデータを活用し、植物群落の分布特性 を定量的に把握しました。さらに、物理環境として、雨水の一時的な貯留を介して植物群落の分布と関係があると想定され、ALBデータの活用により把握 できる凹凸度を導入し、その有用性を検討しました。
既往研究で植物群落の分布との関係が示されている比高と水際距離とともに、凹凸度に対する植物群落の分布を解析した結果、湿潤な環境を好むヨシ群落は、 水際から遠く、水面比高が高い場所では、凹地に限定的に分布することが明らかになりました。さらに、物理環境による植物群落のクラスタ分析を行った結果、 凹凸度を導入することで、チガヤ群落等の堤防植生やミゾソバ群落等の氾濫原植生が区分され、現地と整合するクラスタが得られました。 また、木本群落を含まないクラスタが得られたことから、樹林化しにくい物理環境を把握する上で、凹凸度の導入が有用であることが示唆されました。
- 賞状 -