研究成果・技術情報

「公益社団法人日本材料学会 第24回 コンクリート構造物の補修、補強、アップグレードシンポジウム優秀報告賞」受賞

受   賞   名:

「公益社団法人日本材料学会 第24回 コンクリート構造物の補修、補強、アップグレードシンポジウム優秀報告賞」受賞
受   賞   者: 小沢拓弥 (先端材料資源研究センター 材料資源研究グループ 研究員)
櫻庭浩樹 (先端材料資源研究センター 材料資源研究グループ 主任研究員)
佐々木厳 (先端材料資源研究センター 材料資源研究グループ 総括主任研究員)
古賀裕久 (先端材料資源研究センター 材料資源研究グループ 上席研究員)

受賞日:令和6年6年10月11日(金)

贈賞組織名:公益社団法人日本材料学会

論文題目:

屋外暴露環境および促進環境における各種表面含浸材の中性化抵抗性の比較

賞の概要:

同賞は、開催年4月1日現在で40歳未満の若手研究者、若手技術者を対象として、論文報告集に掲載された報告のうち、内容が優れ、かつ、シンポジウムにおける発表が優れているものに対して、その発表者に授与される。

研究成果の概要:

本報告は、コンクリート構造物の予防保全を目的として、その表面に塗布して浸透させることにより改質保護する表面含浸材について、多様な材料を長期間にわたって試験した結果を報告したものである。構造物中の鋼材の腐食に影響しうるコンクリートの中性化に着目して、 室内での促進中性化試験と約6年間の屋外暴露試験を実施して、中性化を抑制する効果や促進環境と実環境での違いについて把握した。その結果、種々の表面含浸材を塗布したコンクリートの中性化の進行程度は、含浸材の中に含まれるはっ水性を付与する成分の影響により大きく異なることが確認され、特に屋外暴露試験においてこの傾向が顕著であった。

このことから、短期間で行う促進中性化試験では、含浸材を塗布した後の長期的なコンクリートの乾燥の影響を反映できないため、含浸材の種類によっては実環境下での中性化抵抗性を必ずしも適切に評価できない可能性があるなど、表面含浸材の補修効果を検討する上で有用な知見が得られた。

- 賞状 -