国立研究開発法人 土木研究所

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地質調査業界への啓発活動に対し
Geo-Award 2017受賞

 土木研究所職員(佐々木地質研究監)が全国地質調査業協会連合会(全地連)の奨励賞(Geo-Award 2017)を受賞しました。この賞は、「地質に関連した活動を通じ顕著な功績があった個人や団体」に贈られるものです。
 この賞はこれまで2008年には茨城大学地質情報活用プロジェクトチーム等2団体、2010年には日本ジオパークネットワークが受賞しており、今回7年ぶりの受賞者となりました。

 受賞理由は「地質調査業界への啓発活動」であり、全地連で実施している数多くの教育・啓発関係の委員会や講演活動に貢献している点が評価されました。

 たとえば平成20年から平成22年には土木研究所・全地連・日本応用地質学会の連携講習会を土研が企画提案し、全国13箇所で開催しました。これには土研の地質チームの研究者も参画し、最新の研究成果等に関する講演を行いました。テーマの中には、最近注目されている「地質リスク」なども先駆けて取り上げています。

通算37回実施されている道路防災点検講習会 (4択クイズで挙手をしてもらっているところ)  また、平成23年から現在までは、道路防災点検技術委員会の委員長をつとめ、毎年全国で実施されている「道路防災点検講習会」の講師として活動しています。この講習を受講することは国や自治体等の道路防災点検業務の受託においても重要とみなされており、これまでに北海道から沖縄まで通算37会場、延べ約5,000人が受講しています。 佐々木地質研究監はこの多くに出席し、道路防災点検要領の作成に関わった経験や災害研究・災害対応の経験をふまえて点検の要点を講義しています。 なお、佐々木地質研究監が出席出来ない回は土研の浅井特命上席研究員(道路防災担当)が講師を務めています。このように、今回の受賞は土木研究所の組織的な啓発活動が評価されたといえます。
 これらの講習会は発注者等も参加でき、国土交通省や自治体等からの参加者も多く見られます。地質は土木関係者にとって難解でなじみの薄い分野ですが、博多の陥没事故などを契機に土木事業における地質リスクへの対応が 喫緊の課題となっている現在、土木事業において重要な知識をわかりやすく伝えていくことが土研のインハウス・エンジニアリング・ジオロジスト(地質技術公務員)として求められています。 なお、土木研究所では、このような活動を担う若い地質技術者(新人、中途採用等)も募集しています。詳しくは土木研究所HPの「採用・受入情報」をご覧下さい。
 また、道路防災点検講習会は今年度も全国5箇所で実施予定(東京6月29日、仙台9月21日、広島10月5日、大阪10月26日、東京2回目11月16日)です。詳しくは全地連HPをご覧下さい。