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山口嘉一理事がダム見学会の団長をつとめ、ダム技術の講演を行いました

 山口理事(当方)は、平成30年11月1日(木)~2日(金)の2日間、一般社団法人日本大ダム会議と一般社団法人ダム工学会の共催による第44 回ダム現地見学会に団長として参加するとともに、 「ダムの設計・施工・維持管理に関する最近の話題」と題して講演を行いました。

 この見学会は、今回が第44回目を数える、ダム技術者にとっては大変歴史のある催事です。また、過去にはダム技術分野の大先輩方が団長を務められたことから、 今回当方が団長を務めさせていただいたことは大変名誉なことです。見学会には、ダム事業者、コンサルタント、ゲート・プラントメーカー、ゼネコンなどから43名の参加者がありました。

 今回の見学会においては、九州電力株式会社が管理する3ダムを見学しました。この3ダムは、現在耳川水系総合土砂管理計画の一環として改造工事中の西郷(さいごう)ダム*1)と山須原(やますばる)ダム*2)、 さらには我が国初の大規模アーチダムである上椎葉(かみしいば)ダム*3)です。

 今回の見学会では、既設ダムの大規模改造工事の実施状況の見学、現場従事者との意見交換を通して、今後の重要課題であるダム再生についての知識を深めることを目的としていました。

 上椎葉ダムにおける見学会参加者の集合写真を写真-1に示します。

 また、当方は、前述の通り「ダムの設計・施工・維持管理に関する最近の話題」と題して、次のような概要で講演を行いました(写真-2)。

 まず、我が国におけるダム事業の現状を説明した後、新設ダムの設計・施工に関する技術として、 ①巡航RCD工法、②台形CSGダム、③流水型ダム、④造成アバットメント工、⑤ダムにおけるi-Construction、について実例も交えて紹介しました。 また、既設ダムの維持管理・更新に関する技術として、①耐震性能照査、②ダム総合点検、③ダム再生技術について、各種基準やガイドラインの内容も踏まえつつ紹介しました。

 この見学会には、前述したように様々な組織に所属するダム関連技術者の方々が参加し、日頃の垣根を越えて技術交流を行うことができました。

1)西郷ダム諸元:重力式コンクリートダム、堤高20.0m、1929年竣工(現在改造工事中)。

2)山須原ダム諸元:重力式コンクリートダム、堤高29.4m、1931年竣工(現在改造工事中)。

3)上椎葉ダム諸元:アーチ式コンクリートダム、堤高110.0m、1955年竣工。

写真-1上椎葉ダムにおける見学会参加者の集合写真
写真-1 上椎葉ダムにおける見学会参加者の集合写真
写真-2山口理事の講演の様子
写真-2 山口理事の講演の様子