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2024年5月15日-17日、クアラルンプール(マレーシア)のPullman Kuala Lumpur Centerにおいて、ユネスコ本部とマレーシアのユネスコカテゴリー2センター(以下、C2Cと表記)である「International Science, Technology and Innovation Centre for South-South Cooperation under the Auspices of UNESCO (南南協力のための国際科学技術革新センター(ISTIC))」の主催により、ユネスコの自然科学部門のC2Cが参加する国際シンポジウムが、6年ぶりに開催されました。ICHARMを含む世界各地の31のC2C、ユネスコ本部、およびマレーシア現地機関から約70名が参加しました。なお、ユネスコには129のC2Cがあり、そのうちの64は自然科学部門に属しています。
シンポジウム冒頭には、ユネスコ事務局長補(自然科学担当)(Assistant Director-General for Natural Science)であるLidia Brito氏から、主催者であるISTICとマレーシア政府、参加者に対して感謝と歓迎のスピーチが行われました。スピーチでは、我々は世界的規模で多くの課題に直面しており、科学の知識とネットワーク、特に分野を超えた知識を必要としていること、本シンポジウムの目的の一つは異なる分野で活動する異なるセンターが一堂に会し、これら世界的課題に協働して立ち向かう方策を見出すことであり、シンポジウムを通じてより各C2Cが協働するための方法を模索してほしい、との発言がありました。
シンポジウムは、全体会合、各C2Cの発表セッション、および参加者によるグループディスカッションセッションから構成されました。
全体会合では、ユネスコのLidia Brito氏他のユネスコ職員からそれぞれ「Introductory Session」、「C2C Procedures and administrative issues」、「Cross cutting session: Open Science」「Cross cutting session: International Decade of Science for Sustainable Development」における説明や活動紹介が行われました。「Introductory Session」では、Lidia Brito氏からユネスコ自然科学部門における優先分野とプログラムについて、以下のような内容が紹介されました。
各C2Cの発表セッションは「1. Water Science Research, Education and Capacity Development」「2. Hubs for sustainability: UNESCO-designated Sites and Networks」「3. Water and disaster risk reduction」「4. Addressing the Planetary Crises: climate change and biodiversity」「5. Revolutionising Capacity Building in Engineering for SDGs」の5つから構成され、各C2Cの代表者が各センターの活動紹介を行いました。
![]() (左から韓国、ユネスコ本部、マレーシア、 ガーナ、ベトナム、イギリスからの参加者。 一番右は筆者) |
ICHARMは、2日目の「3. Water and disaster risk reduction」において、洪水・渇水に関する研究内容や博士・修士課程、国際洪水イニシアティブ(IFI)や台風委員会などのネットワーキング活動、およびアフリカにおけるユネスコプロジェクトなどを紹介しました。フロアからは科学者と意思決定者のギャップを埋めるための方策はどのようなことが考えられるかの質問があり、IFIにおける水と災害プラットフォームの取組を説明しました。
3日目の午後には、参加者が5つのグループに分かれ、C2Cであることの利点、C2C間同志での協働やネットワークのより良い構築などについて議論を行いました。
筆者がこのようなシンポジウムに参加するのは初めての経験でしたが、ユネスコ自然科学部門の活動や世界各地のC2Cの活動を知る貴重な機会となりました。また、個別に下記C2Cの代表者と意見交換を行いました。
各C2Cとも、研究や能力開発、ネットワーキングにおいて非常に積極的な活動を行っており、ICHARMとしても新たな気持ちで各活動に取り組む所存です。