台風委員会水文部会の第13回年次会合への参加

 2024年10月22日から24日にかけて、中国 南京水利科学研究院(NHRI)の主催により台風委員会(TC)水文部会(WGH)の第13回年次会合が中国南京で開催されました。

 会議には9カ国(中国、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、アメリカ)と台風委員会事務局から約70人の参加者が集まりました。日本からは国土交通省、国際建設技術協会、またICHARMから水文部会議長の宮本守主任研究員と武川晋也研究員の2名が参加しました。

 会合ではメンバー国から今年の台風による被害状況について報告されるとともに、本年のテーマである「Strengthen Standardization for Better National Hydrological Services」に係る取り組みが紹介されました。また、計9つの年次運用計画(AOP: Annual Operation Plan)について、進捗と今後の計画が議論されました。これらの報告と活発な議論を通して、台風委員会を地域の重要枠組みとする各国の連携の重要性が参加者によって再認識されました。ICHARMからは宮本主任研究員が、AOP7「水強靱性と災害に関するプラットフォームを通じた洪水強靱性の強化」に関する発表を行い、中国や韓国から成果の公表や人材育成等に関する質問が寄せられ、国際共同プロジェクトの進展に向けて前向きな議論ができました。その他、水文部会の今後の運用体制についても議論が交わされ、日本が引き続き議長国を務めること、宮本主任研究員を含む現行の水文部会議長および副議長の体制が次期2年間も継続されることが承認されました。

 会議の後半では、NHRIと南京水利水文自動化研究所(NIHWA)を視察しました。NHRIでは水文気象観測フィールドやハイドロヒル実験流域について、NIHWAでは洪水に関する観測機器やモニタリングについて、詳細な説明を受け、メンバー国の関心を集めました。

 ICHARMでは、台風委員会を水災害リスク軽減のための最も重要な国際的枠組みの一つと位置づけ、引き続き地域間協力の強化のために貢献していきます。

水文部会全体写真
水文部会全体写真
水文部会で発表する宮本主任研究員 南京水利科学研究院にて説明を受ける様子
水文部会で発表する宮本主任研究員
南京水利科学研究院にて説明を受ける様子