2.2 横ボ−リング模型内スライム生成試験
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図−3 横ボーリング模型内
スライム生成試験装置
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横ボ−リング模型内において、外気からの酸素流入を遮断したものと、遮断してないものにおいて、スライム生成量がどのように変化するか試験しました。
図−3は試験装置です。試験では、横ボ−リング模型(水封したものと、水封しないもの)の試験装置を作成し、その中で地下水を 循環させるこ
とでスライムの生成を行いました。なお、地下水中への鉄細菌・鉄分の供給は、貯留タンク内に鉄細菌を含んだスライムと鉄粉を入れることで対応しました。また、試験装置内の酸素濃度を確認するため、7日毎に塩ビ管に設置した酸素濃度測定用チュ−ブから酸素濃度測定を行いました。試験後のスライム生成量は、試験開始30日後に試験装置内(塩ビ管内、タンク内、ホ−ス内)に付着した酸化第二鉄量を測定し、その量で評価しました。
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図−4 横ボーリング模型内
酸素濃度推移
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図−4は、水封処理有無別の試験開始後経過日数と試験装置内の酸素濃度との関係を示したものであります。水封を行った装置は、水封を行っていない装置に比べ、酸素濃度が低い状態を示しております。
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図−5 横ボーリング模型内
酸化第二鉄生成量
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図−5は、水封処理有無別の試験装置内酸化第二鉄生成量を示したものであります。水封を行った装置は、水封を行っていない装置に比べ、酸化第二鉄生成量が少ない値を示しております。
この2つの結果より、水封により外気からの酸素流入を遮断することで、試験装置内の酸素濃度低下が図られ、スライム生成が抑制されたことを確認できました。
(3)集水管内酸素濃度低下方法の現地試験
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図−6 現地試験装置
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現地試験は、実際の地下水排除施設(横ボーリング)において、2本の集水管を対象に実施しました。この試験の目的は、図−6に示した。
装置を用いて集水管内の酸素濃度がどの程度低下できるかを確認することであります。なお、集水管内の酸素濃度測定は、エルボに設置した酸素濃度測定用チューブより実施しました。また、酸素濃度測定は2回実施し、1回目はエルボ設置から2週間後、2回目は1回目測定から1ヶ月後に行いました。
表−1 酸素濃度測定結果 |

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表−1は酸素濃度測定結果を示したものであります。集水管内の酸素濃度は7〜13%を示し、水封処理を行うことで大きな酸素濃度低下を図れることが確認されました。このことより、集水管孔口の水封処理によってスライム生成を抑制できる可能性のあることが分かりました。今後は、更に現地試験を継続していき、直接スライム付着抑制効果について確認していく予定であります。
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