土研ニュース

「土木の日2023一般公開」を開催しました

写真-1 試験走路

写真-1 試験走路


写真-2  油圧ショベルの遠隔操作体験

    写真-2  油圧ショベルの遠隔操作体験


写真-3  実大トンネル実験施設

写真-3  実大トンネル実験施設

 土木の「土」と「木」を分解するとそれぞれ漢数字の「十一」と「十八」になることから、十一月十八日(11月18日)は「土木の日」と制定されています。この土木の日にちなみ、「土木の日2023一般公開」を令和5年11月18日(土)、土木研究所と国土技術政策総合研究所の共催で開催しました。


 この一般公開は、公開する施設で行う実験や研究が、一般の方の生活にどのように役立っているのか等、広く一般の方々に土木に関する理解を深めて頂くことを目的として行っています。 今年度は新型コロナウイルス感染症の制限緩和に伴い、4年ぶりに人数制限なし・事前予約不要での開催となりました。当日は過去最多となる1,535名の方が来場されました。


 今年は、試験走路(写真-1)、建設DX実験フィールド(油圧ショベルの遠隔操作体験)(写真-2)、舗装走行実験場、実大トンネル実験施設(写真-3)、道路基盤構造実験施設、臨床研究用撤去部材保管施設(写真-4)、水理実験施設、下水道管路模擬施設、強震観測装置及び機械施工屋内実験施設の10箇所の実験施設を公開しました。

 来場者の方からは「普段体験できないことなので大変貴重な体験で良かった」との感想を頂くなど、各公開施設とも大変好評でした。


 土木に関する様々な体験ができる体験教室にも、多くのご参加を頂きました。土木に関する様々な体験ができる体験教室にも、多くのご参加を頂きました。今回は「土木の計測方法を知ろう」、「コンクリートをつくろう(写真-5)」、「トンネルの強さを知ろう」、「土石流の仕組みを知ろう」、「水がきれいになる仕組みを知ろう(写真-6)」の5つのテーマで実施しました。 体験者からは、「どうやったらいいか工夫するところが分かったので、おもしろかった」、「自分で実験することが楽しかった」等の感想を頂きました。また、子どもたちにものづくりの楽しさを体験してもらうため、つくば市の小学4年生及び5年生を対象とした「ボール紙でつくる橋コンテスト」を毎年行っており、今回は34校から457作品の応募がありました。当日は応募作品の展示と優秀作品等の表彰式を行いました。


 土木の日一般公開は、研究所にとって、その活動内容や土木事業の重要性をアピールする数少ない機会の一つですので、皆様からの要望も踏まえ次回もよりよいイベントにしていきたいと考えています。ぜひご期待ください。




写真-4  古い橋の健康診断

写真-4  古い橋の健康診断
写真-5  コンクリートを作成する実験

写真-5  コンクリートを作成する実験
写真-6  水をきれいにする仕組みの体験

写真-6  水をきれいにする
仕組みの体験



(問い合わせ先 : 研究企画課、総務課)

令和5年度土木研究所講演会を開催しました



写真-1 久田先生による特別講演

写真-1 久田先生による特別講演


写真-2 研究成果に関する講演

写真-2 研究成果に関する講演


 写真-3 パネルディスカッション

写真-3 パネルディスカッション


 令和5年10月11日(水)に東京都千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールにおいて、「令和5年度土木研究所講演会」を開催しました。


 本講演会は、当所における研究開発の成果や、最近の土木技術に関する話題・動向について広く紹介を行うもので、土木研究所が独立行政法人に移行した平成13年度から数えて、今年で23回目となりました。 この数年、社会生活に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症は本年5月より5類感染症に移行しましたが、コロナ禍を契機に定着したWEBとの同時配信は本年度も引き続き実施することとしました。

 

 今年度は土木研究所創立時からのミッションであり、同時に土研が持つ最大の強みである「総合力で現場を支える」を講演会のテーマに設定し、外部講師による特別講演に加え、土研をリードする研究者から最近の研究開発に関する講演、テーマに沿ったパネルディスカッションを行いました。


 特別講演は、東北大学大学院 工学研究科 教授/インフラ・マネジメント研究センター センター長の久田 真先生をお迎えし、「スマートインフラマネジメントで未来を拓く~SIP第3期の概要と土木研究所への期待~」として、我が国のインフラ維持管理の現状と課題、本年度から研究開発が開始されるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)第3期課題「スマートインフラマネジメントシステムの構築」のプロジェクトの概要と展望および今後の土木研究所への期待についてお話をいただきました(写真-1)


 

 所内の研究者からの講演は、研究調整監 竹田正彦からの趣旨説明に引き続き、①RC床板の土砂化対策としての舗装の防水性機能向上への取組(道路技術研究グループ長 髙井嘉親)、②断熱による切土のり面の凍上対策技術の開発(寒地基礎技術研究グループ上席研究員 林宏親)、③中小河川における水位情報提供システムの開発(水災害研究グループ長 森範行)、④生産性向上・安全性向上に資する土木研究所の取組について(技術推進本部長 新一真)、⑤橋梁診断AIシステムの開発と予防保全に向けた技術開発(橋梁構造研究グループ長 石田雅博)として、5件の研究成果をご報告しました(写真-2)


 

 また、講演会の後半には、理事 久保和幸を座長とするパネルディスカッションを開催しました。各パネリストからは、それぞれの専門分野から見た「現場を支える」取組や、研究所が持つ強みや果たすべき役割、今後の方向性について、意見交換を行いました(写真-3)


 講演会当日は、さまざまな業種、分野から、会場で139名、ライブ配信で628名の計767名の方々にご聴講頂き、盛況のうちに閉会することができました。来場者から頂いたアンケートは、今後の講演会開催に活かして参ります。


  

 本講演会の講演内容は、後日、土木研究所ホームページで動画を公開します。公開の際には、ホームページやメーリングリスト等で皆様にお知らせしますので、是非ご覧ください。





(問い合わせ先 : 研究企画課)